「我慢をしない省エネ」を住宅にも
SDGsや省エネが謳われる昨今、夏場ならエアコンの温度を28℃に設定する会社も多いのではないでしょうか?
けれども、実際、28℃設定だと暑くて仕事にならないという経験ありませんか?
何かおかしいとおもいませんか?
省エネの報告書
その28℃設定について、2014年の温熱環境委員会で報告書が出されています。
ざっとまとめると、
・我慢を強いる省エネは、居住者の健康性、快適性、知的生産性を低下させる
・28℃の基準は建築物衛生法上の管理基準温度の上限
・28℃は室温度であって、エアコン設定温度のことではない
・以上より、28℃を推奨値にすることは間違っている
ということが書かれています。
「25℃から28℃に上昇すると、作業効率が6%低下する」
と実測研究で証明されていて(コールセンターの事例)、
人件費はエネルギー費の100~200倍になるため、
室内環境を良くすることに投資した方がいいのではないか
ということでした。
住宅の省エネは?
住宅に置き換えて考えても、
「快適性を犠牲にしてまで無理に省エネをする必要はない」
というのが直訳にはなりますが、どちらかというと、
「省エネ性能は快適性に直結するので、お金のためだけに削ってはいけない!」
と聞こえます。
特に、住宅内での死亡事故で一番多いのは、
冬の寒い洗面所からお風呂に入って起こるヒートショック現象(温度差による血圧変化による事故等)です。
実は交通事故の4倍以上の方がヒートショックで亡くなられているとのことです。
また、夏場はエアコンをつけずに脱水症状になる方も多いため、
いかに住宅内の温度差を無くすかが、快適な住宅をつくるポイントになります。
また、気流の流れも快適さに影響します。
冬の窓際が寒いなと感じる経験はみなさんされたことがあるかと思いますが、
部屋の中に温度差があると、空気が緩やかに動き、不快に感じます。
吹抜が寒いと言われるのも、寒い空気が上昇して不快な気流が生まれるからです。
ただ、
・吹抜があるから寒い
・窓が大きいから暑い
というのは間違いです。
断熱、気密をしっかり設計をした上で導入することである程度は解決できますので、
設計担当・営業担当にしっかり確認し、理想の家に近づけていってください。
今から家づくり、家購入をお考えの方は、以上を踏まえて、ある程度の省エネ性能を持った家選びを心がけて、日々のストレスが少ない暮らしを手に入れてくださいね!
参考文献
「我慢しない省エネへ」 温熱環境委員会
http://www.shasej.org/recommendation/6-2%20gamanwoshinaisyouene.pdf
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